腹腔鏡下手術中に横隔膜損傷によると思われる気胸を合併した2症例を経験したので報告する.症例1は,腹腔鏡下大腸全摘術中に気道内圧,CVPが上昇し,続いてSpO2低下,PETCO2上昇が認められ,聴診上気胸を疑った.腹腔鏡により横隔膜の損傷が認められ,脱気縫合した.症例2は腹腔鏡下胆嚢摘出術中に気道内圧が上昇し,続いてSpO2が低下,胸部聴診上気胸が疑われ,胸部X線にて確認の後胸腔ドレナージを行なった.いずれも注意深いモニターの観察により,気胸に早期に気づき大事に至らなかった.これら2症例では特に気道内圧が早期に変化し,有用なモニターと考えられた.