日本臨床麻酔学会誌
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イオントフォレーシスと極細注射針を用いた無痛的静脈穿刺法の減痛効果
渡辺 達夫越 郁磨塚田 久美子笠原 浩
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1995 年 15 巻 9 号 p. 639-643

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抄録

静脈穿刺の疼痛を軽減するために,10%リドカインを用い1mAで10分間のイオントフォレーシスと外径0.25mm注射針による浸潤麻酔を併用し,その減痛効果を検討した.同一被験者の左右同名静脈について,一方をイオントフォレーシスを用い,他方はこれを用いず静脈穿刺を行ない比較検討した.疼痛の比較は,局所麻酔注射針の穿刺時,局所麻酔薬の注入時,翼状針の皮下刺入時,静脈穿刺時の4時点で行ない,VAS (0~100)を用いて評価し総合的に判定した.実験側で最もVAS値が高値となった時点での平均VASは11±16で,対照側では20±23となり有意差を認め,この併用法によりほぼ無痛的な静脈穿刺が可能であることが明らかとなった.

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