日本臨床麻酔学会誌
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手術侵襲による,血漿遊離型カテコラミン濃度の上昇に及ぼす揮発性麻酔薬の影響
小板橋 俊哉森田 慶久滝野 善夫
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1996 年 16 巻 10 号 p. 701-705

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抄録
67%亜酸化窒素を併用したセボフルラン2.1%(S群),またはイソフルラン1.2%(I群)麻酔を行なった各10例を対象とし,上腹部手術侵襲が遊離型カテコラミン濃度に及ぼす影響について検討した.ドパミン,ノルアドレナリンおよびアドレナリンはいずれも,両群ともに術前値と比較して執刀2時間後には有意に上昇した.アドレナリンは執刀2時間後の値がI群においてS群よりも有意に高値であった.また,血圧もI群で執刀2時間後に有意に上昇した.以上の結果より,手術侵襲に対するカテコラミンの反応はIにおいて,より充進するものと結論づけられる.
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