脳底動脈領域の巨大な動脈瘤の手術では,手術野の確保,瘤・ネックの形状把握が困難なことが多い.われわれは,開胸式の体外循環を併用し,低体温下でクリッピングを行なった46歳の2症例を経験した.術中脳保護として,体外循環による低体温のほかに,バルビツレートの投与が行なわれた.術中は,内頸静脈上球部の脳静脈血酸素飽和度(SjO
2)をモニタリングした.完全体外循環下,収縮期血圧30~50mmHg,低体温(直腸温26.5°C, 28.8°C)で,脳動脈瘤にクリップが掛けられた.この方法は,大がかりな手術であるため,術前からの脳神経外科医,胸部外科医,臨床工学技師および手術部との連携が必要である.
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