日本臨床麻酔学会誌
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酸素投与時における深呼吸の有用性
マスクを顔面から離した場合の検討
城山 和久河本 昌志弓削 孟文
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2000 年 20 巻 7 号 p. 440-443

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抄録

35歳以下の健康成人14名を対象とし,マスクを顔面から離して酸素投与した場合の深呼吸法の有用性を検討した.酸素流量を6l•min-1あるいは9l•min-1,マスクと顔面の距離を2.5cmあるいは5.0cmとし,30秒間の4回深呼吸後と30秒間の安静呼吸後の終末呼気酸素濃度を比較した.深呼吸法と安静呼吸法の終末呼気酸素濃度はそれぞれ流量6l•min-1,距離2.5cmで27%,25%,流量6l•min-1,距離5.0cmで21%,20%,流量9l•min-1,距離2.5cmで32%,29%,流量9l•min-1,距離5.0cmで23%,21%(中央値)で,いずれも深呼吸法で有意に高かった.マスクを顔面から離して酸素投与した場合,終末呼気酸素濃度を早く上昇させる点で,深呼吸法は安静呼吸法と比較して有用である.

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