日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
セボフルラン麻酔時の肝循環に及ぼすジルチアゼムの影響
インドシアニングリーン(ICG)負荷試験を指標にして
松本 延幸土屋 雅彦小泉 實意子村上 康郎水上 智松本 勲
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 20 巻 7 号 p. 444-448

詳細
抄録

セボフルラン麻酔時の肝血流量に及ぼすジルチアゼムの影響をインドシアニングリーン(ICG)負荷試験により測定した.対象は手術侵襲が肝循環に与える影響や全身循環動態の変動が少ない膝関節鏡手術患者8名で,前回報告のセボフルラン麻酔単独群8名と比較した.ジルチアゼム投与はセボフルラン麻酔開始から5μg•kg-1・min-1で持続投与し,麻酔前と麻酔開始2時間後にクリアランス法でICGを,インピーダンス法で心拍出量を測定した.ジルチアゼム投与群では非投与群に比べて,心拍出量とICG消失率が良好な状態で維持されたことから,少量のジルチアゼムの持続投与は心拍出量の減少を抑制し,麻酔中の肝血流量を良好に保つものと考えられる.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top