日本臨床麻酔学会誌
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手術および麻酔による血清亜鉛の変動
突沖 満則松三 昌樹水川 俊一阿部 晋也板野 義太郎小坂 二度見
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1984 年 4 巻 3 号 p. 263-269

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抄録

血清亜鉛は, 熱傷, 心筋梗塞, 手術侵襲および急性感染症などにより減少することが報告されている. 今回われわれは, 吸入麻酔下に予定手術を行なった24例について, 術後7日目までの血清亜鉛を測定したので報告する.
大手術群16例の平均血清亜鉛は, 術前101±15.5μg/100mlであったものが, 術後2時間で57±10.6μg/100mlと最低となり, その後漸増し, 術後3日目には94±24.6μg/100mlと術前のレベルに回復した.
一方, 小手術群8例の平均血清亜鉛は, 術前104±22.8μg/100mlから, 術後1日目に78±18.0μg/100mlと最低となり, 以後漸増し, 術後3日目には84±16.7μg/100mlと術前のレベルに回復した.
術後1時間および2時間の血清亜鉛を大手術群と小手術群で比較すると、大手術群で有意に低値を示した.
このように, 血清亜鉛減少の開始時期と程度は手術侵襲の大きさに相関していると考えられるが, 血清亜鉛が術前のレベルに回復するまでの期間は, 大手術群と小手術群で有意差はなかった.

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