日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
新生児緊急内視鏡検査の麻酔管理
森崎 浩鈴木 玄一宮澤 典子鬼一 有宏榊原 陽子見崎 徹
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 6 巻 2 号 p. 204-208

詳細
抄録

ファイバースコープの細径化に伴い, 消化器内視鏡検査は新生児•乳児にも積極的に行われるようになってきている. 筆者らは当院で行われた新生児の緊急内視鏡検査症例14例の術前状態と麻酔上の問題点について検討した. 検査の対象となった患者は吐•下血を主訴とする例が多く, 術前の問題点として full stomach, 貧血, hypovolemia, 血清ビリルビン高値があるので, 手術時と同様に十分な術前準備を行う必要がある. また, 固いファイバースコープにより患児の気道は圧迫され, 胃内への送気により呼吸抑制をきたす危険があるので気管内挿管による全身麻酔 (笑気•酸素•筋弛緩薬法) がこの検査に最も安全な方法である.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top