日本臨床麻酔学会誌
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末梢血管障害患者の神経ブロック療法の検討
白石 正治弓削 孟文野村 美智子浜田 宏藤岡 泰博盛生 倫夫
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1989 年 9 巻 4 号 p. 338-343

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抄録
過去12年間に広島大学医学部附属病院麻酔科で入院加療を行った末梢血管障害176例に施行した交感神経節ブロックの効果及び合併症につき比較検討した. 胸部交感神経節ブロックの効果は前方及び後方アプローチ法による差はなかったが, 合併症は前方アプローチ法に多かった. 腰部交感神経節ブロックの効果は刺入点による差はなかったが, 合併症は刺入点を棘突起より外側7~8cmとした群が5~6cm群に比べて少なかった. これらの症例の解析により, chemical sympathectomy は年次的に進歩し, 現在では比較的安全かつ容易に行えるようになった. そのため末梢血管障害に対する治療は外科的治療法から現在では chemical sympathectomy を first choice にすることの有用性が認められるようになった.
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