抄録
サイドポート付き気管内チューブを試作した. カフ遠位端に開口するサイドポートからの1%または4%リドカイン注入は犬の咳発生を抑制した. カフ遠位端に開口するサイドポートからの0.1mgエピネフリン注入は, 注入15秒, 45秒, 1分30秒, 3分, 5分, 10分後のいずれの時間においても, 注入前に比べて動脈血エピネフリン濃度の上昇をもたらし, また1分30秒後には気管内チューブ投与より高い濃度を示した. 3分, 5分, 10分後には, 静脈投与, 気管内チューブ投与との間に動脈血中エピネフリン濃度の差はなかった. 本チューブは咳発生の抑制に有効であり, また, 心肺蘇生時のエピネフリン投与の際に有用であることが示唆された.