日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
原著
静止画像を用いた Telecytology の問題点の検討
矢羽田 一信中山 富雄楠 洋子寺本 友昭北市 正則
著者情報
ジャーナル 認証あり

2008 年 47 巻 3 号 p. 189-195

詳細
抄録

目的: 静止画像を用いた Telecytology の診断成績を向上させるために Telecytology の問題点について検討した.
方法: 呼吸器検体 142 例を対象とした. 適正露出で撮影するためにデジタルカメラのブラケティング機能を使用した. 標本の全体像と細胞の大きさを把握するため対物 20 倍でパノラマ撮影し, 画像編集ソフトでパノラマ画像を作成した. 異型細胞の画像を並べて比較するために画像編集ソフトでインデックス画像を作成した. 細胞検査士と細胞診専門医の良悪判定が異なる場合は画像を追加撮影し再判定した.
成績: ブラケティング機能は, 過剰露出による異型扁平上皮細胞の過大判定を改善した. 対物 20 倍で撮影したパノラマ画像は, 標本全体の把握に役立つと同時に細胞の大きさの誤認による異型扁平上皮細胞の過大判定を改善した. インデックス画像は送信枚数を増加できると同時に細胞の異型度や大きさの比較を容易にし, 異型扁平上皮細胞の過大判定を改善した. 追加撮影による再判定は, 通常の顕微鏡診断との一致率を向上させた.
結論: デジタルカメラの機能や画像編集ソフトの使用および追加撮影による再判定は Telecytology の問題点を改善し, 診断成績を向上させた.

著者関連情報
© 2008 公益社団法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top