日本臨床細胞学会雑誌
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症例
シェーグレン症候群に合併した乳腺のアミロイド腫瘤
細井 佳世真鍋 朋子塩岡 忠夫白石 誠中野 正行荻野 哲朗大崎 博之平川 栄一郎
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2008 年 47 巻 3 号 p. 196-199

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抄録

背景 : 乳腺のアミロイドーシスは比較的まれな病変で, 臨床的あるいは画像診断的に乳癌と鑑別が難しい病変である. 今回われわれはシェーグレン症候群に合併した乳腺のアミロイド腫瘤を経験したので報告する.
症例 : 79 歳, 女性. 数日前より左乳房 D 領域に腫瘤を自覚し, 近医を受診. 穿刺吸引細胞診では, 血液成分のみで, 上皮成分を認めず検体不適正であった. 切除術生検では, 乳腺間質および血管壁に淡好酸性物質の著明な沈着が認められ, 乳管および小葉は萎縮消失していた. この物質はコンゴー赤染色で陽性, 偏光顕微鏡を用いた観察により黄緑色を示し複屈折性が証明され, アミロイドと同定された. 穿刺吸引細胞診では上皮成分がなく検体不適正としたが, 再検討した結果, ライトグリーン好性の壊死様無構造物質を認めた.
結論 : パパニコロウ染色標本において, ライトグリーン好性の壊死様無構造物質が観察された場合, 壊死物や粘液, 石灰化小体以外にアミロイドの存在も念頭に置く必要がある. 偏光顕微鏡を用いた観察により黄緑色を示し複屈折性が証明できれば, 容易にアミロイドの同定が可能であり, 細胞診検査は, 腫瘍性病変のスクリーニングのみならず, 変性病変や炎症性病変の検索においても重要であると考える.

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© 2008 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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