抄録
目的 : 子宮癌肉腫の術前細胞診を再検討し, 術前細胞診の意義を検討した.
方法 : 過去 7 年間に武蔵野赤十字病院で術後組織診断にて子宮癌肉腫と診断された 9 例 (頸部 1 例, 体部 8 例) を対象とした. 術前の頸部・内膜細胞診および組織診を, 術後組織診断と比較検討した. また, 術前細胞診を再鏡検し肉腫成分の特徴を明らかにして, 細胞診による術前診断の有用性について考察した.
成績 : 悪性腫瘍陽性率は術前細胞診で 6 例 (67%), 術前組織診で 8 例 (89%) と高率だが, 癌肉腫の術前正診率は 0 例 (0%), 1 例 (11%) と細胞診, 組織診とも術前診断は困難であった. 術前細胞診の再検討では, 4 例 (44%) で癌肉腫を推定しえた. 細胞診による肉腫成分の特徴は, 1) 孤立散在性に出現する, 2) 核縁が非薄でクロマチンの付着や肥厚を認めない, 3) クロマチンは細顆粒状で不均等な凝集像がない, 4) 核型は不整で切れ込みや脳回転様などの不規則な陥入がみられることがある, 5) 核小体の腫大や数の増加がみられることがある, などであった.
結論 : 子宮癌肉腫の術前細胞診断は困難であるが, 肉腫成分の特徴を念頭において術前診断することは, 診断率向上に寄与することが示唆された.