日本臨床細胞学会雑誌
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症例
男性乳腺アポクリン癌の 1 例
荒川 文子仲間 盛之村田 行則石田 剛
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2009 年 48 巻 3 号 p. 129-134

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抄録
背景 : 嚢胞内に増殖し, 間質浸潤を認めた男性乳腺アポクリン癌の症例を経験したので, その細胞像について報告する.
症例 : 83 歳男性. 4 ヵ月前右胸部の腫瘤を指摘. 超音波検査では, 充実成分を伴う嚢胞性病変であった. 針生検後, 右乳房切除術施行. 切除検体に穿刺吸引細胞診を行い, 嚢胞内容物と嚢胞内充実成分の細胞を採取した. 嚢胞内容物では, 背景に細胞質が泡沫状の細胞を散在性に認め, そのなかに核小体明瞭な円形核と泡沫状の豊富な細胞質を有する細胞が平面的集塊でみられた. 嚢胞内充実成分では, 核の肥大と大小不同, 明瞭な核小体, ライトグリーンに染まる豊富な細胞質を有する細胞が平面的および軽度の重積性のある集塊でみられた. 集塊辺縁部に細胞のほつれがあり, snout 像, 細胞質内小腺腔, tail 状細胞もみられ, アポクリン癌と推定診断した.
結論 : 嚢胞内病変で, 泡沫状細胞とアポクリン分化を示す細胞が出現した場合, 乳腺症を第一に考えるが, 男性の乳腺症はまれである. 出現細胞の結合性がゆるいことや泡沫状細胞が類円形核と厚い細胞質をもっていた場合には, アポクリン癌の可能性があることを考えて鏡検すべきである.
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© 2009 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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