日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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特集 <細胞診はどこまで組織所見を捉えられるか—細胞像から組織構造を掴む—>
子宮内膜細胞診はどこまで組織所見を捉えられるか
—細胞像から組織構築を掴む—
及川 洋恵則松 良明鷲尾 尚子板橋 育子藤原 しのぶ石黒 典子田勢 亨東岩井 久佐藤 信二伊藤 潔
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2010 年 49 巻 4 号 p. 297-305

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抄録

子宮内膜細胞診は組織診に比べ侵襲が少なく簡便な検査法であるが, その正診率は必ずしも高いとはいえない. その理由として, 子宮内膜増殖症や高分化型類内膜腺癌は細胞異型を示さないか, または乏しいため細胞異型を主体とした判定基準では診断が困難であること, また, 内膜腺上皮や間質細胞はホルモン環境の影響を受けることや, 化生変化が加わることもあるため多彩な細胞像を呈することなどがあげられる. 細胞診断の精度向上のためには, 組織学的特徴を把握し, それらを反映すると考えられる細胞集塊の構築を重要視して判定することが必要である.

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© 2010 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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