日本臨床細胞学会雑誌
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原著
子宮体部原発類内膜腺癌 (G1) および子宮内膜増殖症の細胞学的検討
—構造異型および構成細胞の観察を中心に—
松井 成明梶原 博涌井 架奈子伊藤 仁北村 隆司光谷 俊幸村上 優佐藤 慎吉安田 政実中村 直哉
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2011 年 50 巻 5 号 p. 261-269

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抄録

目的 : 類内膜腺癌 (以下, G1) および各段階にある子宮内膜増殖症について細胞構築および構成細胞それぞれの観点から従来の報告にある細胞所見と比較検討を行った.
方法 : 2000∼2007 年までに生検組織, 細胞診が同時期に実施され, いずれも類内膜腺癌および子宮内膜増殖症と診断された 69 例 (類内膜腺癌 G1 (EA : endometrioid adenocarcinoma) 35 例 ; 複雑型異型増殖症 (AEH : atypical endometrial hyperplasia)10 例 ; 複雑型増殖症 (EH-C : endometrial hyperplasia, complex)11 例 ; 単純型増殖症 (EH-S : endometrial hyperplasia, simple) 13 例) を対象とした. これらを用い細胞集団の出現パターンおよび細胞配列, 扁平上皮化生細胞, 背景と好中球の取込み像, 子宮内膜間質細胞の各因子について検討した.
成績 : 1) EH-S, EH-C にみられる過分岐腺管, 拡張腺管の出現率に相違はない, 2) AEH では腺管過密集団の出現, 3) EA は腺管過密集団に加え, 樹枝状集団の出現が特徴としてあげられた. さらに, 各因子の検討からは特に EA, AEH における顕著な変化として, 1) 扁平上皮化生細胞の高い頻度での出現, 2) 背景, 腫瘍細胞およびその周囲にある好中球の出現があげられた.
結論 : 子宮内膜細胞診においては各段階にある子宮内膜増殖症や類内膜腺癌に特徴となる異型腺管の出現と重複する異型腺管の頻度を総合的に判定することが必要と考えられた. また, 細胞集団の出現パターン以外の所見として扁平上皮化生細胞, 背景および腫瘍細胞に取り込まれた好中球の出現は EA, AEH を推定するうえで注目すべき所見と考えられた.

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© 2011 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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