日本臨床細胞学会雑誌
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症例
46,XY 性腺形成異常症 (Swyer 症候群) に発生した卵巣混合型悪性胚細胞腫瘍の 1 例
卜部 理恵鏡 誠治松浦 祐介齋藤 研祐川越 俊典土岐 尚之蜂須賀 徹
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2012 年 51 巻 1 号 p. 22-27

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抄録

背景 : 46,XY 性腺形成異常症 (Swyer 症候群) では未分化性腺から高率に性腺腫瘍が発生し, 組織型は多様である.
症例 : 22 歳, 女性 (表現型). 手拳大の卵巣腫瘍を認め開腹術を施行した. 右卵巣は長径 12 cm に腫大し, 表面やや不整で褐色調を呈し, 割面は灰白色調で結節状凹凸を示す弾性硬の充実性部分と出血壊死の目立つ部分から構成されていた. なお, 左卵巣は痕跡的であった. 病理組織検査で右卵巣腫瘍は混合型悪性胚細胞腫瘍 (ディスジャーミノーマ+絨毛癌) と診断され, 左卵巣に性腺芽腫を認めた. 腫瘍割面の捺印細胞診では肉眼的に異なる部分からそれぞれ特徴的で異なった細胞像が観察されディスジャーミノーマと絨毛癌が推定された.
結論 : 肉眼的に異なる部分からそれぞれ腫瘍割面捺印細胞診を採取することにより, 混合型悪性胚細胞腫瘍 (ディスジャーミノーマ+絨毛癌) の特徴的で異なった細胞像を得ることができた.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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