日本臨床細胞学会雑誌
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総説
無排卵周期に伴う機能性出血の細胞像
—特に endometrial glandular and stromal breakdown の細胞像について—
則松 良明
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2012 年 51 巻 2 号 p. 93-104

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抄録

無排卵性周期に伴う機能性出血子宮内膜においては, 不正性器出血や内膜肥厚を示し, さらに子宮内膜腺細胞や内膜間質細胞は, ホルモンの影響や細胞質変化 (化生) が加わるため細胞像が多彩となり, 内膜増殖症や内膜癌と誤判定される場合がある. したがって子宮内膜細胞診の精度向上のためにも, 無排卵周期に伴う機能性出血の細胞像 (Endometrial glandular and stromal breakdown ; EGBD, Disordered proliferative phase ; DPP) の特徴を把握する必要がある. われわれが EGBD と DPP の組織像と細胞像を比較検討した結果, 以下のことが明らかになった. EGBD 例では, 拡張分岐集塊以外に, 断片化塊, 内膜間質細胞凝集塊, 化生性不整形突出集塊などの所見が重要であった. 特に 20 個以上の内膜間質細胞凝集塊や内膜間質細胞凝集塊を含む化生性不整形突出集塊を認めた場合, EGBD の可能性が高い. 一方, DPP 例では内膜増殖症と同様に, 拡張分岐集塊の出現が主体であり, 細胞診による両者の鑑別は困難であった. したがって, 拡張分岐集塊が出現している場合には, 組織生検を施行する必要がある.

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