日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Sister Mary Joseph’s nodule をきたした再発卵巣癌の 1 例
芦原 敬允田中 智人中村 路彦棟方 哲藤田 茂樹大道 正英
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2013 年 52 巻 2 号 p. 122-127

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抄録
背景 : 内臓悪性腫瘍の臍転移 (Sister Mary Joseph’s nodule ; SMJN) は腹腔内および骨盤内悪性腫瘍のうち約 1∼3%の頻度で生じ比較的まれである. 今回, 再発卵巣癌の臍転移に対して臍切除術を施行した症例を経験したので報告する.
症例 : 52 歳. 腹部膨満感を主訴に当院を受診した. 来院時, 両側卵巣腫大および大量の腹水貯留を認めた. 進行卵巣癌を疑い, 単純子宮全摘術, 両側付属器摘出術, 大網部分切除術, および播種病巣摘出術を行った. 最終診断は右卵巣癌 (endometrioid adenocarcinoma, Grade 3) IIIc 期であった. 術後補助化学療法として TC 療法を 6 コース施行したが, 術後 12 ヵ月目に臍部に 3 cm 大の暗赤色の腫瘍を認めた. 腫瘍が易出血性であったため生検はせず, 穿刺吸引細胞診を施行したところ, 腺系の腫瘍細胞のほかに異型扁平上皮細胞や紡錘形の高度異型細胞を認めたため, 臍腫瘍切除術を施行した. 最終診断は再発卵巣癌の臍転移であった.
結論 : SMJN は内臓悪性疾患の末期兆候の一つとして知られているが, 本症例のように孤立性転移で切除可能な症例や, 全身状態良好で化学療法が施行可能な症例も存在する. また, 出血, 感染の理由から臍部の生検が困難な場合, 低侵襲である穿刺吸引細胞診が早期診断に有用である.
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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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