抄録
目的 : われわれは卵管癌の診断における内膜細胞診の有用性について検討した.
方法 : 外科的に切除された卵管癌 17 例を対象とし, 細胞像 (頸部, 内膜, 腹水の各細胞診), 組織像について, 種々の臨床的な因子との相関につき検討した.
成績 : FIGO 進行期分類はIC 期 3 例, IIB 期 2 例, IIC 期 2 例, IIIC 期 8 例, IV期 2 例であった. 内膜細胞診で癌がとらえられた 5 例はいずれもIII期またはIV期症例 (うち 3 例は頸部細胞診でも陽性) であった. 腹水貯留がみられた 5 例中, 4 例は腹水細胞診陽性であった. 一方, 腹水貯留がみられなかった 9 例中, 内膜細胞診陽性は 1 例のみであった. 腫瘍径が 35 mm 以下の 6 例のうち 5 例では内膜細胞診陽性となったのに対し, 35 mm を超えた 8 例において内膜細胞診陽性例はみられなかった.
結論 : 内膜細胞診陽性の原発性卵管癌は 35.7% (5/14) であった. 内膜細胞診陽性と関連のある因子としては, 腫瘍径, 腹水貯留, 進行期があげられた.