日本臨床細胞学会雑誌
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原著
当院における子宮切除断端細胞診の従来法とBD SurePathTM法の比較検討
小関 久恵西川 武竹内 真央田邊 雅世田中 京子山口 弘美武田 麻衣子榎本 泰典小林 浩笠井 孝彦
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2013 年 52 巻 3 号 p. 218-223

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抄録

目的 : 婦人科子宮腟部・頸部 (以下, 移行帯), 子宮切除断端 (以下, 断端) 細胞診においての直接塗抹法 (以下, 従来法) と BD SurePathTM法との比較検討を行い, 移行帯細胞診とともに, 断端細胞診においての BD SurePathTM法の有用性を明らかにする.
方法 : 1 ヵ月間において当院婦人科外来にて, 移行帯, 断端細胞診を施行した 433 例 (移行帯 318 例, 断端 115 例) を対象とした. 標本作製にはスプリットサンプル法を採用し, マッチドペア・盲検試験法により細胞判定を行い, 標本の適否, 背景所見の影響, 判定結果について検討を行った.
成績 : 標本の適否については, 不適正率が移行帯, 断端ともに有意に減少した. 背景所見は, 従来法に比べ BD SurePathTM法において, 赤血球, 好中球ともに有意に減少した. 判定結果は, LSIL の判定率が移行帯, 断端ともに判定率があがった.
結論 : 移行帯細胞診に加え, 断端細胞診においても, 従来法に比べ, BD SurePathTM法は標本の不適正率を有意に減少させ, 診断精度の向上が期待された.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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