日本臨床細胞学会雑誌
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原著
甲状腺原発 MALT リンパ腫のリンパ濾胞胚中心浸潤由来を示唆する山脈状集塊の細胞所見とその意義
蒲 貞行廣川 満良延岡 由梨樋口 観世子山尾 直輝鈴木 彩菜高木 希小島 勝宮内 昭
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2013 年 52 巻 5 号 p. 428-436

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抄録
目的 : 甲状腺 fine needle aspiration (FNA) による Papanicolaou 染色標本にみられる山脈状集塊とその意義について検討した.
方法 : 隈病院で組織診と細胞診が実施された MALT リンパ腫 44 例, 橋本病 20 例, 計 64 例から得られた Papanicolaou 染色標本を対象とした. 塗抹標本は, ガラス上の穿刺物を他のガラスで挟み, 垂直に引き離して作製した.
今回, 腫瘍細胞の核所見, MALT リンパ腫に由来する細胞集塊, および山脈状集塊の内部所見とその由来などを検討した. 橋本病と鑑別する MALT リンパ腫の所見は判別分析により検討した. 山脈状集塊は, Papanicolaou 染色標本の低倍率で [集塊の長さ÷平均的幅] >4 倍で, 長く連続した細胞集塊と定義した.
成績 : [核形・核小体異常核] (目立つ核小体をもつ不整形核) 出現率のカットオフ値≧20%の所見に加え山脈状集塊と LEL-MALT (LEL 由来の細胞集塊) がみられる場合, 橋本病と鑑別するための MALT リンパ腫の判別率は 97%であった. 山脈状集塊は MALT リンパ腫の 90%で観察され橋本病ではみられなかった. 山脈状集塊内部には follicular dendritic cell 様細胞, tingible-body macrophage, small lymphocytes, 腫瘍細胞などの混在がみられた.
結論 : 山脈状集塊はリンパ濾胞胚中心浸潤 (follicular colonization) 由来所見と推定され, 甲状腺 FNA 細胞診で橋本病との鑑別に有意義な MALT リンパ腫の特徴所見の一つと考えられた.
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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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