日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Conidiobolus 属真菌による播種性感染症の 1 例
土橋 千琴植田 清文上杉 忠雄佐藤 隆夫筑後 孝章木村 雅友
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2013 年 52 巻 5 号 p. 444-447

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抄録

背景 : Conidiobolus 属真菌は接合菌の一種で, 熱帯付近で鼻顔部皮下の限局性肉芽腫性感染症を生じる起因真菌であると知られてきた. 播種性感染を生じることは極めてまれで, 本邦における報告例はない. Conidiobolus 属真菌による播種性感染症例を経験したので, その細胞像を報告する.
症例 : 61 歳, 男性. 悪性リンパ腫に対する骨髄移植が実施されたが, 移植後 2 ヵ月で肺炎を生じ, 呼吸不全で死亡した. 死亡前日の気管支吸引細胞診では壁が薄く屈曲の多い菌糸と, 有隔性で Y 字状に分岐する, アスペルギルスに特徴的な菌糸が混在していた. 剖検で得られたさまざまな臓器の組織にも 2 種類の菌糸の増殖が認められ, 複数の臓器から Conidiobolus 属真菌が分離された.
結論 : Conidiobolus 属真菌感染症の細胞診では接合菌に特徴的な菌糸とアスペルギルスに類似の菌糸が混在するので, 注意が必要である.

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