日本臨床細胞学会雑誌
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症例
後腹膜に発生した malignant PEComa の 1 例
狩森 基更大石 彩子清水 隆之寺元 加奈古本 あゆみ
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2013 年 52 巻 5 号 p. 448-453

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抄録

背景 : PEComa (perivascular epithelioid cell tumor) は, 全身のあらゆる臓器から発生するまれな間葉系腫瘍であり, その細胞像についての報告は少ない. 今回われわれは後腹膜に発生し浸潤, 転移をきたした malignant PEComa を経験したのでその細胞像を中心に報告する.
症例 : 20 歳代, 女性. 発熱, 食思不振, 貧血, LDH 高値にて当院に紹介された. 捺印細胞診では, 出血・壊死を背景に緩い結合性を示す平面的な細胞集塊や, 孤在性の大型異型細胞が多数出現していた. 腫瘍細胞はライトグリーン好染性の幅広い細胞質を有し, メラニン顆粒をもった細胞が混在していた. 核は類円型で核内封入体や大型核小体を認め, クロマチンは細顆粒状で増量していた. 組織像では明るい細胞質を有する腫瘍細胞が血管成分に囲まれた胞巣状の形態を呈していた. 腫瘍細胞は, 細胞質にメラニン顆粒を有し, HMB-45 (+), S-100 蛋白 (−), CK (−) を示した. 脈管侵襲像, 膵への浸潤を認め, 後腹膜原発の malignant PEComa と診断された.
結論 : PEComa の細胞像を認識し, 腫瘍の発生部位を問わず鑑別診断としてあげる必要がある.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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