日本臨床細胞学会雑誌
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症例
胸膜転移の診断に胸水セルブロックを用いた免疫組織化学的検討が有用であった皮膚血管肉腫の 1 例
小堺 智文西澤 和世石田 章子米田 傑太田 浩良
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2013 年 52 巻 5 号 p. 459-465

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抄録

背景 : 血管肉腫は皮膚や軟部に好発するまれな内皮細胞由来の肉腫であり, 悪性度が高い. 今回われわれは, 胸膜転移を認めた皮膚血管肉腫の 1 例につき, 胸水細胞診所見を報告する.
症例 : 100 歳の女性. 約 2 年前に左膝皮膚血管肉腫の既往がある. 今回, 発熱と食欲不振を主訴とし, 精査, 加療目的で当院入院となった. 胸部 CT 検査では左胸腔の著明な胸水の貯留と左肺の無気肺を指摘された. 胸水細胞診では明瞭な核小体を示す円形∼類円形の異型細胞が孤立性∼集塊状に多数認められた. 特徴的な所見として, 印環細胞様形態, 細胞質内小腺腔様構造, 腺房あるいは, 腺腔様細胞集塊および, hobnail 像が観察された. 鑑別として腺癌と悪性中皮腫があがったが, セルブロック標本における免疫組織化学染色では異型細胞は CD31, CD34, D2-40 が陽性で, cytokeratin が陰性であり, 皮膚血管肉腫の胸膜転移と確定診断された.
結論 : 本例の血管肉腫において, 胸膜転移の診断確定にはセルブロックによる免疫組織化学染色が有用であった.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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