日本臨床細胞学会雑誌
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症例
縦隔および骨盤腔内に腫瘤を形成し胸水細胞診にて診断しえた myeloid sarcoma の 1 例
松尾 梢恵熊坂 利夫中 昂一阿部 直也橋本 昭一藤原 睦憲武村 民子
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2013 年 52 巻 5 号 p. 454-458

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抄録

背景 : Myeloid sarcoma (MS) は, 骨髄芽球や未分化な骨髄系細胞が髄外に腫瘤を形成する疾患と定義される. 今回われわれは, 非白血病患者の縦隔および骨盤腔内に腫瘤を形成し, 胸水・心嚢水の貯留が認められ, 胸水細胞診で診断しえた MS の 1 例を報告する.
症例 : 32 歳, 女性. 発熱, 咳, 胸痛を主訴に受診. 縦隔および骨盤腔内の腫瘤と左胸水・心嚢水貯留を認めた. 左胸水細胞診にて悪性リンパ腫 (ML) が疑われた. セルブロックの免疫染色にてリンパ球マーカーが陰性であったため, 細胞診標本を再検討し, 微細顆粒状のクロマチンを有する核に大きな湾曲するくびれをもつ細胞が 11%認められ, ギムザ染色にてアズール顆粒を認めた. セルブロック・縦隔腫瘍生検組織において免疫組織化学的に myeloperoxidase (MPO) を検出し MS と診断された.
結論 : MS は頻度が少なく ML と誤診され, 初期診断の正診率は低い. 組織診断の難しい MS においてその細胞像は特徴的であり, 早期診断に有用であると考えられ, 早期治療へとつながることにより予後の改善も期待されると考えられた.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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