日本臨床細胞学会雑誌
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症例
乳腺穿刺吸引細胞診で悪性と判定した乳管内乳頭腫 2 例の細胞像と組織像
田村 元緒形 真也柳川 直樹刑部 光正阿部 光展渡邉 清子渡邊 いづみ植松 美由紀
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2014 年 53 巻 3 号 p. 229-234

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抄録
背景 : 乳腺穿刺吸引細胞診誤陽性例は腺筋上皮腫が高率であるといわれている. 腺筋上皮腫はまれな腫瘍であるが, ありふれた乳管内乳頭腫でも筋上皮細胞の増殖が旺盛な症例では誤陽性判定の危険を孕んでいる. 乳腺穿刺吸引細胞診で悪性と判定した 2 例の乳管内乳頭腫の細胞像と組織像を供覧する.
症例 : 症例 1 20 歳代, 女性. 症例 2 50 歳代, 女性. いずれも乳房腫瘤の穿刺吸引細胞診で悪性判定のため乳房温存術が施行され, 最終的な病理組織診断は乳管内乳頭腫であった. 症例 1, 2 ともに結合性の低下した不整な細胞集塊や孤在性細胞を乳管癌細胞と判断したが, 摘出標本の組織像と免疫染色の結果から筋上皮細胞を乳管癌細胞と誤認したものと考えられた. 症例 1 の細胞診標本で行ったα-SMA 免疫染色でも上記細胞に陽性像を確認した.
結論 : 筋上皮細胞は結合性が緩く, ときに異型を伴うため, 乳管癌細胞との鑑別が難しい形態をとることがある. 乳腺穿刺吸引細胞診で結合性の低下した不整な細胞集塊や孤在性細胞をみた場合, 筋上皮細胞の可能性を常に念頭に置いて N/C 比やクロマチンパターン, 核内封入体の存在などから慎重に判断する必要がある.
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© 2014 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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