日本臨床細胞学会雑誌
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症例
尿細胞診で LBC 法が有用であった悪性リンパ腫の 1 例
成富 真理畠 榮定平 吉都荒木 豊子小林 博久日野 寛子高須賀 博久物部 泰昌
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2014 年 53 巻 3 号 p. 235-240

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抄録
背景 : びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫 (DLBCL) が尿中にみられることはまれである. 今回, われわれは留置カテーテル尿にて悪性リンパ腫を推定しえた症例を経験した. 従来法に加え液状化検体細胞診 (LBC 法) での細胞学的所見を中心に報告する.
症例 : 85 歳, 男性. 1 年前, 肝細胞癌で入院治療中, MRI 検査にて左尿管に沿って浸潤増殖する腫瘤を指摘された. 生検の結果, DLBCL と診断され, 化学療法を行った. 今回, 前立腺肥大による尿閉のため前立腺摘出術を施行され, DLBCL の再発を認めた. 術後の留置カテーテル尿細胞診では多数の好中球, リンパ球を背景に, 大型で N/C 比大の異型細胞が散在性に出現し, 核は類円形∼円形, 一部不整や切れ込みを認めた. クロマチンは粗顆粒状で増量, 1∼数個の小型核小体がみられた. オートスメア法ならびにフィルター法では炎症細胞に埋もれ異型細胞の観察が困難であったが, LBC 法では容易に観察された. LBC 標本で, 異型細胞は CD20, CD79a 陽性で悪性リンパ腫と診断した.
結論 : 炎症細胞が多い検体に LBC 法を取り入れることは, 異型細胞の観察が容易となり, 免疫染色への応用が可能で細胞診断に有用となると考えられた.
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© 2014 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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