抄録
目的 : われわれは, ハイリスク HPV 感染の頻度が低い ASCUS not otherwise specified (ASCUS-NOS) と, 頻度の高い ASCUS favor dysplasia (ASCUS-D) を感覚的に区別してきた. 今回, 細胞所見をスコア化し, 両者を客観的に鑑別することが可能か検討した.
方法 : ASC-US と判定され, HPV テストが施行された 122 例について, 独自のスコアリングシステムで再評価し, ハイリスク HPV 感染との相関を検討した.
成績 : 再評価後, ASC-US 23 例は NILM と判定され, いずれもハイリスク HPV 陰性症例であった. ASC-US 全体のハイリスク HPV 陽性率は 34.4%から 42.4%に上昇し, 内訳は ASCUS-NOS 15.2%, ASCUS-D 56.1%であった.
結論 : 細胞所見をスコア化することで ASCUS-NOS, ASCUS-D の判定を, 客観的に有意差をもって区別することができた. しかし, それでもなお ASCUS-NOS には一定程度のハイリスク HPV 感染が存在するため, 初回スクリーニングでは ASC-US の範疇を幅広くとらえ, HPV テストへ促すことが重要と思われた.