日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
症例
卵巣原発上衣腫の捺印細胞像
西野 勝小島 史好石田 光明横関 典子小林 学岡部 英俊
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 53 巻 6 号 p. 488-492

詳細
抄録
背景 : 卵巣上衣腫は中枢神経系に発生する上衣腫 (CNS 上衣腫) と類似した組織像をとるまれな腫瘍である. 卵巣上衣腫の捺印細胞像と組織像との対応および卵巣上衣腫の組織学的特徴について検討した.
症例 : 23 歳, 女性. 右卵巣の嚢胞性病変に対して腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術が施行された. 切除検体は隆起性病変を含む単房性嚢胞で, この隆起部より捺印細胞診標本を作製した. 細胞診標本では疎結合性重積集塊, 平面的集塊が出現し, rosette 様配列を認めるものがあった. 免疫染色にて明瞭となる GFAP 陽性の線維状の細胞質突起を認めた. 組織標本にて perivascular pseudorosette, ependymal rosette の形成や淡明細胞の増殖, 免疫染色による GFAP 陽性像を認めた. 以上の組織学的所見から卵巣上衣腫と診断した.
結論 : 卵巣上衣腫は CNS 上衣腫と異なった組織学的特徴を有しており, 発生起源, 腫瘍発生機序の違いが示唆される. 年齢, 肉眼所見, 特徴的な細胞像, GFAP の免疫細胞染色から, 細胞診にて上衣腫を推定することが可能と考えられた.
著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top