日本臨床細胞学会雑誌
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特集
小児・若年者甲状腺癌の病理学的特徴と遺伝子異常について
近藤 哲夫
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2014 年 53 巻 6 号 p. 508-514

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抄録
小児・若年者の甲状腺癌はまれである. 成人と同じく乳頭癌の頻度が最も高いが, 充実型/充実濾胞型, びまん性硬化型, 篩型などの亜型の頻度が高いことは小児・若年者の甲状腺癌の特徴の一つである. 充実型/充実濾胞型はチェルノブイリ原子力発電事故後に周辺地域で増加した乳頭癌として報告された. 主に充実性構造からなり, その発生には RET/PTC3 遺伝子再構成との関連が示唆されている. びまん性硬化型は拡張したリンパ洞内に扁平上皮化生を伴う腫瘍塊が進展して広がるという独特な増殖形態を示し, 背景には多数の砂粒小体, リンパ球浸潤, 線維化をみる. 篩型ではコロイドを欠いた篩状構造, モルラ形成がみられる. 家族性大腸ポリポーシスに併発する甲状腺癌としても知られ, APC 遺伝子変異に関わりがある. 本稿では小児・若年者にみられる甲状腺癌の臨床病理学的特徴, 病理組織所見と診断上のポイント, これら組織亜型の遺伝子異常について概説する.
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© 2014 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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