日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Papillary glioneuronal tumor の 1 例
—術中細胞診は診断に有用である—
小林 広昌松本 慎二青木 光希子濵﨑 慎井上 亨鍋島 一樹
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2016 年 55 巻 4 号 p. 274-279

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抄録

背景 : Papillary glioneuronal tumor (PGNT) は, 星細胞の偽乳頭状構造と乳頭間の神経細胞のシート状増殖を特徴とする良性の神経グリア混合腫瘍であり, 2007 年 WHO 脳腫瘍分類で grade I に分類されている. これまでに PGNT における細胞診所見に言及した報告はない.

症例 ; 32 歳, 女性. 頭痛の精査で右側頭葉の腫瘍性病変を認め入院となった. 右側頭開頭腫瘍摘出術を施行, 術中細胞診では, 血管周囲性配列を示し突起を有する星茫状細胞と, その周囲に分布する神経節および神経細胞の 3 種類の細胞を認め, glioneuronal tumor が疑われた. 病理組織所見では, 硝子化した血管を取り囲むように星細胞様細胞が偽乳頭状に増殖し, 偽乳頭状構造間には明るい類円形核と明瞭な核小体を有する小型~中型の神経細胞様細胞のシート状増殖を認め, PGNT と診断した. 振り返ると細胞診にも上記のごとく特徴的な所見が得られており, PGNT の術中診断も可能と考えられた.

結論 ; 本例は, 術中細胞診が PGNT の診断に大きく寄与した貴重な 1 例であった. まれな症例においても, その特徴を理解しておくことが重要である.

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© 2016 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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