日本臨床細胞学会雑誌
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症例
気管支肺胞洗浄液細胞診にて診断した肺胞蛋白症 4 例の細胞学的特徴
小島 啓子刀稱 亀代志熊谷 直哉星合 桂太黒瀬 顕
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2016 年 55 巻 4 号 p. 268-273

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抄録

背景 : 肺胞蛋白症 (PAP) は肺胞腔内, 終末気管支内にサーファクタント由来物質が異常貯留をきたす比較的まれな疾患である. 今回われわれは気管支肺胞洗浄液 (BALF) 細胞診で PAP と診断しえた 4 例の BALF の性状ならびに細胞学的所見を比較検討した.

症例 : 20~60 歳代の 4 人が CT で PAP が疑われ, 確定診断目的に BALF 細胞診と経気管支肺生検が施行された. BALF の外観は症例間で差があり, 軽度~高度の白濁を呈していた. 細胞診ではいずれも微細な顆粒状物質, 不定形の無構造物質および泡沫マクロファージが認められ, それぞれの出現量は症例間で異なっていた. いずれも過ヨウ素酸シッフ反応陽性ならびに免疫細胞化学的に surfactant protein A 陽性であり PAP と細胞診断した. BALF 中の泡沫マクロファージは重症例では減少していた. また組織診でも肺胞腔内に好酸性物質の貯留と泡沫マクロファージを認め PAP と診断した.

結論 : BALF の外観ならびに顆粒状物質, 無構造物質および泡沫マクロファージによる BALF 細胞診は PAP の診断に有用である. さらに泡沫マクロファージの出現量は重症度との関連で重要である.

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