2016 年 55 巻 6 号 p. 370-375
目的 : Atypical squamous cells undetermined significance (ASC-US) 判定の適用の整合性向上を目指し, ASC-US 判定の状況の変化を, The Bethesda System (TBS) 導入時から経時的に分析する.
方法 : 子宮頸がん検診への TBS 導入後の, 2008~10 年と 2011~13 年の前後 3 年間で, ASC-US 判定例の頻度, 年齢分布や human papillomavirus (HPV) 検査, 組織診の結果を比較し, 判定の適正度を検討した.
成績 : ASC-US 判定は, 前 3 年間では 236121 人の受診者中 309 例 (0.13%), 後 3 年間では 221143 人中 341 例 (0.15%) であった. 細胞診異常例中の ASC-US の割合は, 18.6%から 16.8%へと減少傾向がみられた. ASC-US から cervical intraepithelial neoplasm 2 (CIN2) 以上の検出例は, 前期で 85 例 (30.7%) が, 後期は 45 例 (19.7%) で有意に減少した (p=0.006).
結論 : TBS 導入当初は, 細胞診異常例中の ASC-US 判定例の頻度や ASC-US 判定例に占める CIN2 以上の検出率が高かったが, 年次を経て, ASC-US 本来の概念が普及し, ASC-US 判定の適用の整合化, 適正化に向かっている.