2016 年 55 巻 6 号 p. 376-381
背景 : Gangliocytic paraganglioma (GP) は, 十二指腸乳頭部に好発するまれな腫瘍で, 主として粘膜下に存在するため, 生検による確定診断は困難なことが多い. EUS-FNA は術前診断の有効な方法として期待されるが, その報告は少ない.
症例 : 60 歳代, 男性. タール便を主訴に上部消化管内視鏡が施行された. 生検では十二指腸粘膜のみしか得られなかった.
EUS-FNA 検体では, 細顆粒状クロマチンを有する短紡錘形~類円形の核をもつ紡錘形細胞に加え, 少数ながら核小体の目立つ大型細胞も認められた. 多彩な細胞像を呈し, 核所見などから神経内分泌系の腫瘍が疑われた.
膵十二指腸切除検体では十二指腸乳頭部の近傍に粘膜下腫瘍が認められた. 組織学的に腫瘍は, Zellballen 配列をとる上皮様細胞, 明瞭な核小体をもつ神経節細胞様細胞, 束状の紡錘形細胞 (支持細胞) の 3 成分から構成されていた. 最終的に GP と病理診断された.
結論 : EUS-FNA 検体では必ずしも 3 成分の細胞が採取されない可能性がある. しかし, 3 成分の細胞が正しく採取され, さらにセルブロックの免疫組織化学的検討を加えれば, 診断は可能と思われた.