日本臨床細胞学会雑誌
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総説
甲状腺・副甲状腺腫瘍に対する遺伝学的検査
内野 眞也
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2017 年 56 巻 6 号 p. 265-270

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抄録

多発性内分泌腫瘍症 2 型は, 遺伝的に甲状腺髄様癌・褐色細胞腫・原発性副甲状腺機能亢進症を発症する常染色体優性遺伝性疾患であり, 原因遺伝子はRET遺伝子である. わが国ではRET遺伝学的検査はすでに保険適用である. 乳頭癌や濾胞癌を発生する症候性の遺伝性疾患には, Cowden 症候群, 家族性大腸腺腫症, Carney 複合, Werner 症候群などが知られており, これらは原因遺伝子がすでに明らかとなっており, 遺伝学的検査は研究レベルで実施されている. 一方, 非症候性の家族性乳頭癌は全乳頭癌の約 5%にみられるが, 原因遺伝子はまだ不明である.

多発性内分泌腫瘍症 1 型は, 原発性副甲状腺機能亢進症・膵消化管神経内分泌腫瘍・下垂体腫瘍を主徴とする常染色体優性遺伝性疾患であり, 原因遺伝子は MEN1 遺伝子である. 現在本遺伝学的検査は一部の施設で先進医療として実施されている. 副甲状腺機能亢進症顎腫瘍症候群は副甲状腺腫あるいは副甲状腺癌と顎腫瘍, 腎腫瘍, 子宮病変を主徴とする常染色体優性遺伝性疾患であり, 原因遺伝子は CDC73 遺伝子であり, 研究レベルで実施されている.

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