2017 年 56 巻 6 号 p. 308-313
背景 : 子宮外原発悪性腫瘍の子宮転移はまれで, 特に胆囊癌の子宮転移の報告は少ない. われわれは子宮内膜細胞診で胆囊癌の子宮転移を疑いえた 1 例を経験したので報告する.
症例 : 55 歳, 4 経妊 3 経産. 胆囊癌の初回治療終了 2 年後に不正性器出血を伴う下腹痛を認め当科を受診した. 画像所見で子宮体部後壁筋層内に 30 mm の不整形で内部が不均一な腫瘤が検出された. 子宮内膜細胞診では, 比較的綺麗な背景に, 長楕円形の核を有する高円柱形の異型細胞集塊が一部重積性を伴ってシート状に出現していた. 子宮内膜組織診では, 異型腺組織が既存の内膜腺と筋層内に飛び地状に浸潤する像がみられた. いずれも典型的な類内膜癌と異なる所見で, 既往の胆囊癌の転移が疑われた. 出血の治療と確定診断目的に開腹術を施行した. 骨盤内では, ダグラス窩が子宮と直腸とに癒着した腫瘤で占拠され, 子宮の完全摘出は困難だった.
結論 : 摘出検体の組織診では腫瘍細胞が内膜間質および筋層内に飛び地状に浸潤する既往の胆囊癌と同様の像がみられた. 免疫染色でも既往の胆囊癌検体と一致した所見であり, 最終的に胆囊癌の子宮転移と診断した.