日本臨床細胞学会雑誌
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症例
腰髄に転移した atypical teratoid/rhabdoid tumor の髄液細胞診の 1 例
橋本 哲也金室 俊子野並 裕司藍原 康雄川俣 貴一山本 智子澤田 達男長嶋 洋治
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2017 年 56 巻 6 号 p. 303-307

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抄録

背景 : Atypical teratoid/rhabdoid tumor (AT/RT) は小児に好発するまれな高悪性度中枢神経系胎児性脳腫瘍で, WHO 分類では grade Ⅳに分類される. 今回, われわれは術後再発し, 腰髄に転移した AT/RT を経験したので, 髄液細胞診を中心に報告する.

症例 : 7 歳男児, 脳幹部に発生した AT/RT の既往があり, 術後に放射線治療と化学療法が行われ, 経過観察されていた. 手術から 3 年後に急性水頭症となり, 画像検査上, 腰髄 (L4-5) に転移が示唆された. 髄液細胞診では好酸性細胞質封入体をもつラブドイド細胞を含む異型細胞が観察された. 細胞診断は陽性で, 免疫細胞化学では INI-1 陰性が確認され, AT/RT の転移と推定診断された.

結論 : 術後 3 年で腰髄転移をきたし, 髄液細胞診を行った AT/RT の 1 例を経験した. 乳幼児または小児の髄液中に類円形異型細胞の増生が観察され, 特にラブドイド細胞を認めた場合, INI-1 の発現の有無を確認するための免疫染色が有用と考える.

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© 2017 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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