日本臨床細胞学会雑誌
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症例
左肩に発生した筋上皮癌 myoepithelial carcinoma の 1 例
石井 脩平古田 則行小松 京子杉浦 善弥元井 紀子高澤 豊杉山 裕子石川 雄一
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57 巻 (2018) 2 号 p. 129-135

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抄録

背景 : 筋上皮癌 (myoepithelial carcinoma, 以下 MC) は一般にまれな腫瘍であるが, 軟部組織原発のものはさらにまれで診断が難しい. 今回, 左肩に発生した MC を経験したので報告する.

症例 : 10 歳代後半, 男性. 約 10 年前より無痛性の左肩腫瘤を自覚, 半年前より急速に増大したため, 当院紹介受診. 針生検により悪性と診断されたが, 組織型の確定にいたらず, 切開生検後に広範切除術が施行された. 切開生検時の圧挫細胞診では, 小型類円形を呈する腫瘍細胞が主に孤立性に出現し, 血管性間質の周囲を取り巻くような集塊, ロゼット様配列や核分裂像も認め, ユーイング肉腫を疑った. 組織診では充実性, 胞巣状や一部に網目状構造を呈し, 粘液様や硝子様基質も認めた. 腫瘍細胞は上皮様細胞, 淡明細胞や紡錘形細胞が混在し, 多彩な形態を示していた. 形態像, 免疫組織化学, 遺伝子検索より MC と診断された.

結論 : 筋上皮腫瘍は一般に多様な形態を呈し, 採取された箇所により形態が異なるため, 組織型推定に苦慮する場合がある. 細胞診で円形細胞を主体とした悪性細胞がみられた際には臨床所見も加味し, MC も鑑別に挙げることが望まれる.

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