日本臨床細胞学会雑誌
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症例
超音波内視鏡下穿刺吸引法 (EUS-FNA) で得られた大動脈周囲に発生した傍神経節腫の細胞像
三好 真由美小竹 千代小田井 学田中 幸播谷 規子上田 佳世寺村 一裕
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キーワード: Paraganglioma, EUS-FNA, Cytology
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2018 年 57 巻 2 号 p. 125-128

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抄録

背景 : 大動脈周囲に発生した傍神経節腫の超音波内視鏡下穿刺吸引法 (EUS-FNA) で得られた細胞像を検鏡する機会を得たので報告する.

症例 : 70 歳代, 女性. 下腹部痛を訴え, CT 検査で左大動脈周囲に約 30mm の腫瘤陰影を指摘された. 悪性リンパ腫を疑い EUS-FNA を施行した. 細胞診では充実性の上皮様集塊や血管周囲に多数の細胞を認めた. それらの細胞の細胞質はライトグリーン好性で細胞境界は不明瞭, 核は類円形や長楕円形で大小不同を認め, 核縁は薄く, 核クロマチンは微細顆粒状, 核小体を 1 個認めた. モノトーナスな細胞の増生がみられ, 腫瘍細胞と考えたが, 組織型は推定困難であった. 組織診では充実胞巣状の細胞集塊を認め, 間質は乏しく, スリット状の血管からなっていた. 発生部位, 組織像, 免疫染色の結果から傍神経節腫と診断し, その後, 腹腔鏡下摘出術を施行した.

結論 : EUS-FNA は低侵襲の検査法として普及し, 深部臓器の多様な検体採取が可能となった. 今後も本腫瘍をはじめ, さまざまな細胞像を理解して診断することが重要であると考える.

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