日本臨床細胞学会雑誌
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原著
超音波内視鏡下穿刺吸引法における膵管上皮異型細胞の特徴的細胞像とセルブロック検体組織像の検討
江坂 四季音松田 陽子浜島 裕理今泉 雅之児島 宏哉木曽 有里白幡 浩人木下 真由美鈴木 明美新井 冨生
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キーワード: Pancreas, EUS-FNA, Mucin, Cytology, Cell block
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2018 年 57 巻 4 号 p. 199-212

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抄録

目的 : 本研究は, 膵臓の超音波内視鏡下穿刺吸引 (endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration : EUS-FNA) 検体による細胞学的診断の向上のため, 膵管上皮異型細胞の細胞像およびセルブロック検体組織像の特徴的所見を明らかにすることを目的とした.

方法 : 2013 年 6 月から 2016 年 5 月までに当施設において膵病変に対して EUS-FNA が施行された 97 例を対象とした. 対象を正常, 軽度異型, 高度異型/癌の 3 群に分け, 細胞像, 組織像, 免疫組織化学的所見について検討した.

成績 : 細胞学的に高度異型/癌群では, 壊死は 48.8%, 乳頭状集塊は 86.6%の症例にみられた. また組織学的に軽度異型群では胃型粘液を 50.0%, 高度異型/癌群では胆膵型粘液を 70.5%と高頻度に認めた. Ki-67, p53 は高度異型/癌群で各 22.0%, 34.4%と高い陽性率を示した. SMAD4 は高度異型/癌群の 19.0%で陰性を示し, 他群は全例陽性であった.

結論 : EUS-FNA における膵病変の診断には, 細胞診検体の背景, 構造, 細胞異型だけでなく, 粘液の所見や癌関連タンパク質の発現も重要な所見となりうる. セルブロック用に検体を同時に採取し, 粘液染色や免疫組織化学的検索を行い, 総合的に判断することが正確な細胞学的診断につながる.

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© 2018 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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