2020 年 59 巻 1 号 p. 24-29
目的 : 新たに提唱された唾液腺領域の穿刺吸引細胞診の報告様式であるミラノシステムを用いて後方視的な検討を行い, カテゴリー別の細胞学的所見を明らかにする.
方法 : 久留米大学病院で穿刺吸引細胞診が施行された 402 例のうち, その後, 組織学的な検索が行われた 121 例を対象とした.
成績 : 不適正 9 例 (7.4%), 非腫瘍性 4 例 (3.3%), 意義不明な異型 14 例 (11.6%), 腫瘍性・良性 57 例 (47.1%), 腫瘍性・良悪性不明 19 例 (15.7%), 悪性の疑い 3 例 (2.5%), 悪性 15 例 (12.3%) で, カテゴリー別の risk of malignancy (ROM) は, それぞれ, 0%, 0%, 35.7%, 1.7%, 36.8%, 100%, 100%であった. 意義不明な異型の ROM がミラノシステムで提唱される ROM (20%) よりも高値を示した. また, 腫瘍性・良悪性不明と診断した症例の共通する細胞学的な特徴の一つに基底細胞様細胞が優位に出現する様式を呈した.
結論 : ミラノシステムで新たに導入された意義不明な異型および腫瘍性・良悪性不明となりやすい細胞所見を理解することが重要であると思われた.