日本臨床細胞学会雑誌
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症例
膵に発生した退形成癌の 2 例
近藤 妙子杉谷 拓海木下 史暁松岡 拓也中川 美弥田上 圭二神尾 多喜浩
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2020 年 59 巻 2 号 p. 103-111

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抄録

背景 : 退形成癌は比較的まれな腫瘍であり, 予後不良である. 今回われわれは, 膵に発生した退形成癌の 2 例を経験したので報告する.

症例 : 症例 1. 70 歳代, 女性. 心臓手術後の経過観察中に, 腹部超音波検査で膵頭部に腫瘍を認めた. 症例 2. 70 歳代, 女性. 腹痛を主訴に受診し, CT で膵頭部に腫瘍を認めた. いずれも EUS-FNA (endoscopic ultrasound-fine needle aspiration) が施行された. 細胞像は, いずれも類円形または紡錘形の腫瘍細胞が散在性にあるいはシート状の集塊で出現し, 破骨型多核巨細胞も認めた. 肉眼的に, 2 例とも腫瘍内部に高度の出血・壊死を認めた. 組織学的に, 腫大した核小体と核の大小不同を有する紡錘形細胞や多角形細胞が増殖し, 一部に腺管構造を認めた. 出血部では破骨型多核巨細胞が目立ち, 症例 1 では一部に軟骨基質を認めた. 免疫染色では紡錘形細胞と多角形細胞がビメンチン強陽性, CAM5.2 陽性, 破骨型多核巨細胞が CD68 陽性, CAM5.2 陰性であった. いずれも退形成癌と診断された.

結論 : 膵腫瘍の細胞診で, 円形・紡錘形の腫瘍細胞や多核巨細胞を認めた場合, 退形成癌も念頭に置く必要がある.

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