日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Extremely rare findings of touch imprint cytology for diagnosing in a case of pulmonary tumorlet associated with bronchiectasis
―A case report and literature review―
Kyoko KISAKenta KAJIOMasako ONISHISigekatsu OYAMAKayo UEDAKunimitsu KAWAHARA
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2020 年 59 巻 6 号 p. 273-278

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抄録

背景 : 肺テューモレットは気管支上皮外の神経内分泌細胞の増殖性病変である. 本疾患は, 気管支拡張症などの病的肺で多くみられ, 切除肺, 剖検肺に偶然発見されることが多いが, 細胞診標本に本疾患が疑われる所見が出現することは非常にまれである.

症例 : 70 歳代, 女性. 血痰を主訴に当院を受診され, 胸部 CT にて右中葉結節影が認められた. 肺癌が疑われたため右中葉切除術が施行され, 切除肺割面の病変部より捺印細胞診が施行された. 細胞学的所見は, 背景は清明で, 類円形~紡錘形の小型異型細胞の小集塊が散見された. 細胞集塊における細胞間の結合性は低く, 異型細胞は N/C 比が非常に大きく, クロマチンは細顆粒状に軽度増量して認められ, 核小体は目立たなかった. 病理組織学的所見は, 背景肺に気管支拡張症が認められ, 末梢気道・小血管周囲には, 均一な小型核と淡明な胞体を有した細胞が, 線維性間質を伴って小集塊を形成して増殖して認められた. 免疫組織化学的評価と併せ, 最終的に肺テューモレットと診断した.

結論 : 肺テューモレットは, 定型カルチノイド腫瘍と同様の形態を示し, 細胞学的にこれらを鑑別することは困難である. その細胞診判断に際しては, 背景肺の状態や出現細胞数などを踏まえた総合的な判断が必要である.

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