2020 年 59 巻 6 号 p. 269-272
背景 : 扁平上皮分化を伴う類内膜癌では, 悪性の扁平上皮分化を伴うこともある. 今回, 子宮体部の扁平上皮癌が疑われたが, 術前の内膜細胞診で著明な扁平上皮分化を伴った子宮体部類内膜癌と診断しえた症例の細胞像・病理像および臨床像を検討した.
症例 : 52 歳, 未経産. 前医での子宮内膜細胞診は陽性, 内膜組織診は扁平上皮癌であり子宮体部原発の扁平上皮癌が疑われ当院へ紹介された. 当院での細胞診では多数の扁平上皮細胞と不規則重積を示す腺系を疑う悪性細胞集塊が認められたため, 扁平上皮への分化を伴う類内膜癌が疑われた. MRI 検査では子宮体部に腫瘍を認め, PET-CT 検査では多発リンパ節転移が疑われた. 子宮体癌の診断で手術が行われた. 摘出子宮の病理診断は, 扁平上皮分化を伴う類内膜癌 (grade 2) で, 大部分は角化を伴う扁平上皮癌成分からなり, ごく一部に腺癌成分が認められた. 多発リンパ節転移を認め, 扁平上皮癌成分が転移していた. 術後 8 ヵ月目に多発リンパ節転移で再発した.
結論 : 今回, 著明な扁平上皮分化を伴った子宮体部類内膜癌を経験した. 扁平上皮癌成分がリンパ節へ転移しており, 早期に再発し予後不良であった.