2021 年 60 巻 4 号 p. 205-211
目的 : 穿刺吸引細胞診 (fine needle aspiration : FNA) 標本における平坦型上皮異型 (flat epithelial atypia : FEA) の細胞学的所見の検討を行った.
方法 : 2019 年に当クリニックにおいて乳腺 FNA が施行され, 病理組織学的に FEA と診断された 5 例を対象とした.
成績 : 細胞診判定は, 鑑別困難が 3 例, 悪性疑いが 2 例であった. 細胞所見は, 背景がきれいであった症例が 3 例, また石灰化が 3 例に認められた. 上皮性の細胞集団では, 単調な細胞集団を全例に認めた. また細胞質が円柱状で N/C 比の大きい細胞は, 一列に並ぶ柵状配列を呈する集団が 3 例に, 孤立散在性に出現する細胞が 4 例にみられた.
結論 : 今回の検討から, FNA において FEA を考慮した診断および針生検を推奨することは可能であった. また今後, 症例の蓄積により, 推定組織型の一つとして FEA を挙げることは十分可能となってくると思われる.