日本臨床細胞学会雑誌
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症例
卵巣境界悪性ブレンナー腫瘍の 1 例
満下 淳地岡本 三四郎小松 京子古田 則行竹島 信宏杉山 裕子竹内 賢吾高澤 豊
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キーワード: Ovary, Borderline Brenner tumor
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2021 年 60 巻 4 号 p. 219-223

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抄録

背景 : 卵巣ブレンナー腫瘍は, 良性, 境界悪性, 悪性が混在することが多いため, 術中迅速組織診断だけでは全体像をつかむことが難しい. 今回, 左卵巣腫瘍に対し, 術中迅速組織診断で境界悪性ブレンナー腫瘍と診断し, 捺印細胞診で悪性所見を認めなかったことで術式決定できた症例を経験したので報告する.

症例 : 患者は 51 歳, 女性である. 腹部膨満感を自覚したため近医を受診し, 当院を紹介された. Magnetic Resonance Imaging (MRI) で充実性部分を伴う左卵巣多房性腫瘍を認め, 手術を実施した. 左卵巣腫瘍に対する術中迅速組織診は境界悪性ブレンナー腫瘍であった. 術中捺印細胞診では, 核の軽度の大小不同, 1〜2 個の明瞭な核小体, 微細顆粒状の核クロマチン, 核溝が観察された. 悪性を示唆する細胞像は得られなかった. 左卵巣境界悪性ブレンナー腫瘍と術中診断し, 腹式単純子宮全摘術および両側付属器摘出術および大網部分切除術を実施した. 左卵巣腫瘍の永久標本では境界悪性ブレンナー腫瘍部分と良性ブレンナー腫瘍部分を認めた.

結論 : 多彩な組織像をもつブレンナー腫瘍では, 術中迅速組織診断に加え, 術中捺印細胞診を行うことが術式決定のために有用である.

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