日本臨床細胞学会雑誌
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症例
肝原発血管筋脂肪腫の 2 例
本間 聖也九十九 葉子梅澤 敬大内 和真日下部 民美及川 実夏山崎 悦夫坂本 穆彦
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2021 年 60 巻 5 号 p. 289-294

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抄録

背景 : 血管筋脂肪腫 (angiomyolipoma : AML) は血管, 平滑筋および脂肪細胞の 3 成分からなる良性腫瘍で, 主に腎臓に好発する. 本論文では, 発生のまれな肝臓原発血管筋脂肪腫の 2 例における細胞学的所見を中心に報告する.

症例 : (症例 1) 40 歳代, 女性. 穿刺吸引細胞診 (fine needle aspiration cytology, 以下 : FNAC) 所見では裸核様, 奇怪な核をもち, 核小体の明瞭な大型異型細胞と血管様構造を示す紡錘形細胞が散見され, 悪性腫瘍との鑑別が困難であった. 組織学的には大型異型核をもつ巨細胞と脂肪細胞で構成される腫瘍であった. (症例 2) 60 歳代, 女性. FNAC 所見では明瞭な核小体をもつ大型異型細胞, 脂肪細胞および紡錘形細胞が混在して出現していた. 組織学的にも脂肪細胞や血管および多形性に富む大型細胞からなる病変を認めた. 2 例でみられた大型異型細胞は, 免疫染色にてα-SMA, Desmin 陽性であり, 平滑筋由来が示唆された. 加えてメラノサイトマーカーである HMB45 にも陽性を示し, AML と診断された.

結論 : AML は悪性との鑑別を要する良性腫瘍である. 肝腫瘍の FNAC で本例にみられたような大型異型細胞と多彩な細胞所見を認めた場合には, AML の可能性を否定できない. 肝臓細胞診のピットフォールの一つとして認識していくべきであろう.

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