日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
原著
体腔液細胞診の膵癌細胞における上皮間葉転換癌細胞の細胞形態
村田 和也河原 明彦内藤 嘉紀貞嶋 栄司安倍 秀幸髙瀬 頼妃呼福満 千容篠田 由佳子牧野 諒央熊谷 天斗秋葉 純
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 61 巻 2 号 p. 107-115

詳細
抄録

目的:本検討の目的は,体腔液中にみられる上皮間葉転換(epithelial mesenchymal transition:EMT)細胞の細胞形態について検討することである.

方法:われわれは臨床病理学的に膵癌と診断され,体腔液細胞診陽性であった 33 例を対象に,体腔液中の癌細胞における EMT 関連マーカーの E-cadherin,vimentin および Zinc-finger E-box binding homeobox 1(ZEB1)発現を調査し,vimentin+/ZEB1+ を示した EMT 細胞の細胞形態を検討した.

成績:体腔液中の膵癌細胞の出現パターンは,集塊型 12 例(36.3%),孤在性型 5 例(15.2%)および混在型 16 例(48.5%)に分類された.E-cadherin 陽性細胞は 30 例(90.9%),vimentin 陽性細胞は 6 例(18.2%),ZEB1 陽性細胞は 4 例(12.1%)にみられた.E-cadherin と vimentin 発現は出現パターンに関連性を認めたが,ZEB1 発現は明らかな関連性を認めなかった.EMT 細胞(vimentin+/ZEB1+)は 4 例(12.1%)にみられ,混在型で 2 例,孤在性型で 2 例認められた.体腔液中の EMT 細胞は,孤在性,類円形細胞で,緩やかな集塊形成を呈する EMT 細胞もみられた.

結論:体腔液中の EMT 細胞は,孤在性細胞や緩やかな集塊形成のような出現形態を示し,線維芽細胞のような紡錘形の細胞変化を示さなかった.したがって,体腔液中における EMT 細胞の多様性を理解しておく必要がある.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top