日本臨床細胞学会雑誌
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症例
EUS-FNAC で術前診断しえた膵重複腫瘍の症例
深田 知也高柳 悠希野崎 祐子小田井 学三好 真由美田中 幸菅野 天裕大谷 恭子稲葉 真由美
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2023 年 62 巻 6 号 p. 307-310

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抄録

背景:膵悪性腫瘍において内分泌腫瘍と外分泌腫瘍が重複する症例はまれである.ここで提示する症例は,超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration cytology:以下,EUS-FNAC)にて重複腫瘍と術前診断しえた 1 例である.

症例:70 歳代,男性.腹部の違和感を訴え,当院を受診した.超音波内視鏡検査にて膵頭部に 18 mm 大,膵尾部に 7 mm 大の低エコー腫瘤を認めた.EUS-FNAC を施行し,膵頭部腫瘍,膵尾部腫瘍に対しそれぞれ腺癌,神経内分泌腫瘍もしくは腺房細胞癌疑いと診断した.その後,膵全摘術を施行しそれぞれ中~高分化型腺癌,神経内分泌腫瘍と診断した.

結論:正確な細胞診断は外科的術式選択の一助になりうる.1 つの病変にとらわれず,腫瘍が混在,重複して存在することを念頭に置いて慎重に検査や診断することが重要であると考える.

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